平成21年度 卒業証書授与式 学校長式辞
梅の花がほころび、寒さの残る中にも春の気配を感じる今日のよき日、多くの御来賓並びに保護者の皆様をお迎えし、近畿大学附属東広島高等学校第十二回卒業証書授与式を盛大、且つ厳粛に挙行できますことは、本校にとりましてこの上ない喜びとするところであります。御臨席を賜りました皆様に厚くお礼を申し上げますとともに、保護者の皆様に対しまして、教職員を代表して心から御祝いを申し上げます。
さて、只今卒業証書を授与した二百二十七名の卒業生の皆さん、卒業おめでとうございます。皆さんは、高等学校の全課程を無事修了し、同期の友とともに、あしやまの峰を仰ぎ見るこの想い出多い近畿大学附属東広島高等学校・中学校の学び舎を巣立っていくことになりました。
「人に 愛される人 信頼される人 尊敬される人になろう」という本校の校訓を体し、勉強にクラブ活動に青春のエネルギーを燃焼させ、この三年間で人間的に大きく成長しました。
皆さんは今、クラスの仲間と取り組んだ文化祭、友と燃えた体育祭、楽しかった北海道修学旅行など、この三年間の青春の一コマ一コマを思い起こし、新たな感慨に浸っていることと思います。私は皆さんと二年間一緒に過ごしましたが、いつも爽やかで、前向きで、一人一人の瞳が輝いていました。体育祭の閉会式の時、校歌を三年生全員が大きな声で歌う姿を見て、私は胸が熱くなるほどの感動を覚えました。
私にとっても、皆さんと体育祭やスキー実習などで同じ空間と時間を共有し、ともに青春のエネルギーを燃焼させたことは、素晴らしい想い出としていつまでも心に残ると思います。
今日、皆さんのめでたい門出にあたりいくつかの所懐を述べて、皆さんへの「はなむけ」としたいと思います。
まず初めに、周囲の人々に対し敬愛と感謝の気持ちを持って欲しいということです。人間は自然や他人との関係を絶って生きることはできません。皆さんの今日あるのは、勿論皆さん自身の努力があったからでありますが、その陰に今日まで無償の愛を持って見守って下さった御両親、兄弟を始め、大勢の人々の様々な立場からの励ましや支えがあったことを決して忘れてはなりません。また、多くの先生や友達と様々な出会いがあり、この出会いは皆さんの人生に大きな影響を与えてきました。これからの人生においても、人々との出会いを大切にするとともに、周りの人々に対する感謝と、他人への思いやりの心を大切に生きて欲しいと思います。
また、最近、無関心、無感動の若者が増えてきていると言われていますが、嬉しいときにはおおいに喜び、悲しいときには涙し、そして、美しい自然や素晴らしいものに心から感動する熱い心を持った人間であって欲しいと思います。
次に、私はいつも皆さんに言ってきました。「皆さんは素晴らしい能力と可能性を秘めている」と、しかし、どんなに能力と可能性を秘めていても、努力しなければ、それを開花させることはできません、皆さんには生涯にわたって、常に学ぶ心を持ち続けて欲しいと思います。学び努力することにより、自分自身を高め、広い地球的視野に立って物事を正確に捉え、判断し、自分の進むべき方向を見極めてもらいたいと思います。
高村光太郎の「僕の前に道はない、僕の後ろに道はできる。」の七行から始まる短い詩は、人生に対するあり方とその決意を語っています。道は自分が踏み出してきた足跡だ、だから道の真っ先にいつでも自分は立っている。人生を自ら切り開いていこうと、極めて明快にうたっています。
卒業という一つの区切りに立って、さらに高い目標に向かって歩み出す皆さんに、ふさわしい詩であると思います。誰も歩かなかった道を、自分で切り開いていく人生こそ、まさに生き甲斐のある人生ではないでしょうか。勿論、人生は、いつも平坦な道ばかりではありません。幾多の困難に遭遇することもあり、悩み立ち止まることもあるでしょう。
しかし、どんな時にも自分の可能性を信じて、将来に夢を持ち、目標に立ち向かう「挑戦」の気持ちを持ち続けてください。人生には、失敗や挫折はつきものです。「朝の来ない夜はない」「冬来たりなば春遠からじ」「七転び八起き」など、できるだけプラス志向を心がけ、希望と勇気を持って人生という道を力強く歩いていただきたい。
青春は、そして人生は、素晴らしいドラマです。皆さんには、いつまでも青春の情熱を持って、近畿大学附属東広島高等学校の卒業生であるという自信と誇りを持って堂々と生きて欲しい。
皆さんの自愛と健康、今後の活躍を心から祈念して式辞と致します。
平成二十二年二月二十八日
近畿大学附属東広島高等学校長
番本正和
